営業マンの基本的なマナーについて

営業職は、会社の顔としてお客様と接する最前線の仕事です。そのため、どんなに商品知識や営業スキルが優れていても、「マナー」が欠けていれば信頼を得ることはできません。営業マンとして成果を出すためには、相手に安心感と信頼感を与えるマナーが非常に重要です。ここでは、営業マンにとって不可欠な基本マナーについて、具体的に紹介していきます。
1. 第一印象を大切にする
営業マンにとって、第一印象は非常に重要です。初対面の相手には数秒で印象が決まると言われており、その印象が商談の流れを左右することもあります。
【身だしなみ】
- 清潔感のある服装を心がける(シワや汚れはNG)
- 髪型や爪、靴などの細部まで整える
- 香水や整髪料の匂いが強すぎないよう注意
営業マンの服装は、「自分のため」ではなく「お客様のため」に整えるものです。自社の信頼に関わるため、常にビジネスパーソンとしての品位を意識しましょう。
【表情・姿勢・態度】
- 笑顔を忘れず、明るく親しみやすい印象を持たせる
- 姿勢を正し、だらしない態度はNG
- アイコンタクトを適度に行う
お客様と接する際には、「この人なら信頼できる」「話しやすい」と思ってもらえるような雰囲気作りが重要です。
2. あいさつと名刺交換のマナー
【あいさつ】
営業の基本はあいさつです。気持ちのこもったあいさつは信頼の第一歩です。
- はっきりとした声で「お世話になっております」「失礼いたします」と挨拶する
- 入室時は、ドアをノックし、相手の許可を得てから入る
- 部屋を出る際は「ありがとうございました」と丁寧に言う
【名刺交換】
名刺交換はビジネスシーンの礼儀作法の基本であり、間違えると失礼にあたることもあります。
- 名刺は相手よりも低い位置で両手で持ち、相手の正面で差し出す
- 受け取った名刺はすぐにしまわず、商談中は机の上に置く
- 相手の名前や会社名を確認しながら丁寧に扱う
名刺はその人の「分身」であるという認識を持ち、丁寧に扱うことが営業マンの礼儀です。
3. 訪問・商談時のマナー
【時間厳守】
時間を守ることは、社会人としての基本であり、営業マンにとっては「信頼」の土台です。
- アポイントの10分前には到着する
- 万一遅れる場合は、必ず事前に連絡を入れる
- キャンセルや変更が生じた場合も、早めの連絡を徹底する
【話し方・言葉遣い】
ビジネスマナーとして、正しい敬語や丁寧語を使うことが求められます。
- 「おっしゃる通りです」「かしこまりました」など丁寧な言葉遣いを心がける
- 相手の話を最後まで聞き、話を遮らない
- 否定から入らず、相手の意見を受け止めた上で自分の意見を述べる
無意識に使ってしまいがちな間違った敬語(例:「ご苦労さま」など)は注意が必要です。
4. 電話・メール対応のマナー
【電話対応】
営業では、電話によるアポイントやフォローも多く発生します。
- 電話には3コール以内で出る
- 明るくはっきりとした声で名乗り、会社名と名前を伝える
- 相手の話をメモしながら聞く、復唱して確認する
- 不在時の伝言は、正確に内容と時間を記録して報告する
【メールマナー】
ビジネスメールは、正確性とスピードが求められます。
- 件名はわかりやすく簡潔に
- 冒頭に「お世話になっております」などの挨拶を入れる
- 用件は簡潔にし、箇条書きを活用する
- 誤字脱字を必ずチェックしてから送信
返信が遅れると信頼を損なう原因になります。できる限り即日返信を心がけましょう。
5. 相手の立場に立った行動
営業マンは「売り込む人」ではなく、「課題を解決する人」でなければなりません。そのためには、常にお客様の立場に立って考え、行動することが重要です。
【傾聴の姿勢】
- 相手の話を真剣に聞く(相槌・うなずき・表情を使ってリアクションする)
- お客様のニーズや課題を正確に汲み取る
- 自分本位の話をしすぎず、相手の関心に合わせる
【気配り・配慮】
- 相手の業務時間を配慮して訪問・連絡する
- 訪問時には、入口で靴を揃える、コートを脱ぐなどの配慮も忘れずに
- 季節の変わり目には体調を気遣う一言などを添えると好印象
細かな心配りが、営業マンとしての信頼を積み上げることに繋がります。
6. 社内マナーも大切
外部の人との接し方だけでなく、社内でのマナーも同様に重要です。社内での行動も評価され、将来的な人事評価や昇進に関わります。
【報告・連絡・相談(ホウレンソウ)】
- 上司や関係者に適切なタイミングで報告をする
- 連絡は早く、正確に
- 相談を怠らず、勝手な判断を避ける
営業職は個人で動く場面も多いですが、チームの一員であるという意識が必要です。
【職場の礼儀】
- 出社・退社時の挨拶を忘れない
- 社内の清掃や備品の取り扱いにも気を配る
- 周囲への感謝の言葉やフォローを怠らない
社内でのマナーは、外部にも自然と表れます。職場内での信頼が、営業の成果にも大きく影響します。
7. クレーム対応時のマナー
営業をしていれば、クレーム対応に直面することもあります。そんな時こそ、営業マンの真価が問われます。
【真摯な姿勢】
- お客様の話をしっかり聞き、遮らない
- 言い訳をせず、まずは謝罪の気持ちを伝える
- 感情的にならず冷静に対応する
【迅速な対応】
- すぐに上司へ報告し、必要な指示を仰ぐ
- お客様への対応計画を伝え、経過報告を怠らない
- 再発防止の取り組みについても説明し、信頼回復に努める
クレームを機に信頼が増すこともあるため、誠実で丁寧な対応が必要です。
8. コンプライアンス意識
営業マンは数字を追うあまり、無理な提案や嘘の説明をしてしまうことも一部に見られますが、これは絶対に避けなければなりません。
- 契約内容を正確に説明する
- 誇張や虚偽の説明をしない
- 個人情報を適切に扱う
短期的な成果よりも、長期的な信頼を重視するのが、プロの営業マンです。
まとめ
営業マンとして活躍するには、単に商品を売るだけではなく、人間としての信頼を得るためのマナーが不可欠です。
「挨拶」「言葉遣い」「時間厳守」「身だしなみ」「傾聴」「社内外の礼儀」など、基本的なマナーを丁寧に実践することで、相手からの信頼を得て、結果として成果につながります。
営業は人と人との信頼関係の積み重ねです。目先の売上ではなく、長期的な関係性の構築を意識し、日々の行動・言動に気を配ることが、営業マンとして成功する鍵となるでしょう。